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ホワイトペーパーとアナリストレポート
イベント・ドリブン・アーキテクチャによる高度なSOA の推進
要約
ほとんどの組織では、イベントにより、アクションを起こします。たとえば、金融サービスでは、株価がしきい値より下落することが、売り注文の引き金となるでしょう。製造業では、受注により生産が始まります。医療分野では、救急病院にやってくる患者の数の異常増加は病気の流行が始まったことを示している可能性があるため、医療スタッフや公衆衛生当局側のアクションが求められます。
これらのケースではすべて、1つのイベントまたは複数の連続するイベントに基づいて、ビジネス・プロセスが開始、停止、または変更されます。ソフトウェアで現実的なイベント処理のモデル化を行う能力は、お客様やパートナーへのより責任ある対応を目指す組織にとって極めて重要であり、また、より効率の良い経営を実現するためにも極めて重要です。
サービス指向アーキテクチャ (SOA) は、これを実現するための第一歩です。SOA は、変化を続けるビジネス要件への対応を必要としている IT 組織にさらなる迅速性と柔軟性を提供します。また、複数のビジネス・プロセスでアプリケーションやデータを簡単に再利用できるようにし、ユーザがこの情報に簡単にアクセスできるようにします。また、SOA は、再利用することで、開発者がより多くのプロジェクトを完了でき、IT バックログを軽減して、ビジネス上の付加価値を生じるよう支援します。しかし、イベント処理能力がなければ、SOAシステムを持つ組織は、これまでと同じ制約に縛られたままです。つまり、従業員がイベントを発見し、一連のアクションを決定し、対応するリソースの割り当てができる速度でしか、ビジネス・イベントに対応できないということです。
イベント・ドリブン・アーキテクチャ (EDA) を通じて SOA にイベント処理を追加すると、組織はこの制約を打ち破ることができます。その結果、情報システムは、自動化プロセスまたは人間による処理を行って、イベントをすばやく検知し、対応できるようになります。
このホワイト・ペーパーでは、InterSystems Ensemble がどのようにして、EDA を備え、重要なビジネス・イベントに即座に対応可能な高度な SOA システム構築を実現し、競争上の優位性をもたらすかを説明します。
EDA とは
相互に対処する前にサービス同士が互いを認識していなければならないSOA とは異なり、EDA のソフトウェア・コンポーネントは、直接やり取りをする必要はありません。その代わり、イベント・プロデューサやイベント・コンシューマは、互いを認識せずに、仲介役を通じて通信します。この仲介役は、多くの場合、イベント発行/購読ブローカ、エンタープライズ・サービス・バス (ESB)、またはビジネス・プロセス・オーケストレーション・エンジンです。イベント・プロデューサは、ブローカにイベント通知を発行します。イベント・コンシューマはブローカを購読して、興味のあるイベントが発行されると同時に (または、その他のタイミングで) その通知を受信します。また、イベント・コンシューマが、イベントのパターン、またはイベントに含まれるパターンを検索して、ブローカに発行できる派生的指標を計算することもあります。
イベント・ドリブン・システムは、あらかじめ定義されている一連のアクションを開始して、イベントの内容に基づいて自動的に応答します。場合によっては、イベント・ドリブン・システムが一連のアクション全体を実行することもあります。また、アクションの1つが関係者への通知であり、彼らのアクションの結果を待ってから、次のステップに進むという場合もあります。ユーザは、一般的にはグラフィカル・ダッシュボード、または警告メカニズムを通じて、イベント・ドリブン・システムに対応します。洗練されたイベント・ドリブン・システムではドリルダウンで、ダッシュボード通知の元となるリアルタイム・データを見ることができます。これにより、ユーザは、関連するアプリケーションに直接影響を与えることができます。
EDA によるSOA の強化
EDA によるSOA の強化は、一般的には段階的に行われます。これは、組織における最初のSOAプロジェクトで、ごく限られた数のサービスの実装から始まります。これにより、よりモジュール化されたインフラストラクチャの恩恵を受けることができるようになり、ソフトウェア資産の再利用が促される一方で、SOA の開発や展開に関する専門知識を得ることができます。完了したプロジェクトの数が増えるに従って、組織は、展開するサービスの数を増やし、SOA 管理能力を高めていく傾向にあります。これらの両段階で、SOA は、要求/応答というやり取りを通じて疎結合サービスや独立サービスの収集を調整するだけです。
最終的には、ビジネス環境の変化を迅速に識別、記録し、対応が必要になるため、組織は、SOA システムにイベント処理機能を付加することになります。多くの場合、これは、基本的な SOA に次の機能を追加することにより達成されます。
- 広範囲にわたるイベント・ソースへの接続性をもち、適切な条件が満たされるまで待ってからアクションを実行する長期間のビジネス・プロセスをサポートするイベント処理。効果的なイベント処理エンジンは、単純なイベント (ビジネス・プロセスの状態における 1 つの変化)、および複雑なイベント (一連のイベントに含まれるパターン、または複数のイベントに基づく指標として計算されるもの) の処理が可能である。
- ビジネス・パフォーマンスを追跡し、強化するため、イベント、ビジネス・プロセス、および主要な指標をレポートするダッシュボードを作成するビジネス・アクティビティ・モニタリング (BAM) 機能
- アナリストなどのビジネス・ユーザが、イベントやそれに関連するアクションの定義が可能な高度なインターフェースを備えたビジネス・ルール
EDA の利点
イベント・ドリブン・システムは、変化を認識し、その変化にすばやく対応することが重要であるビジネス・プロセスを扱うのに適しています。対応にはさまざまな形式があります。たとえば、イベント・ドリブン・システムができることは次のとおりです。
- 従業員にイベントを通知
- 対応において自動的に (プログラムされている) アクションを実行
- 長期間にわたるビジネス・プロセスにおいて、次の段階へ進む
- 「複合イベント」が発生したことを判断するために、数あるインプットの 1 つとしてイベントを使用し、その値に基づいてアクションを行う
たとえば、医療分野では、イベント・ドリブンのバイオ・サーベイランス・システムは、病院全体で MRSA による院内感染率のパターンを予測することが考えられます。設定した目標からの逸脱をトリガとして、院内感染の拡大を防ぐためのアクションが必要であることを経営者に警告します。
金融サービスでは、ある商品相場の変動が、この商品に依存する企業の株を購入または売却するトリガとなることがあります。このようなイベントを追跡するイベント・ドリブン・システムは、最大の利益を得るため、状況が再び変わる前に、自動的に取引を行うことができます。
また、病院に導入されたイベント・ドリブン・システムは、その病院が利用するさまざまな検査機関のパフォーマンスを、 検査機関と交わしているSLA (Service Level Agreement) と比較して判断します。SLA からの逸脱により、病院経営者に警告が通知されるだけではなく、検査指示を出す自動業務プロセスのプログラム変更も開始されます。検査処理が遅れている検査機関への指示は、この検査機関がスケジュールに追いつくまで、期日どおり検査を進めている別の検査機関にまわすことができます。
InterSystems Ensemble – 包括的なパッケージで SOA と EDA にパワーを与える
InterSystems Ensemble は、SOA と EDA ソリューションの展開を簡略化する、独自の技術的アプローチをとっています。このアプローチでは企業/組織内、および複数の組織間で、ユーザ、プロセス、アプリケーションを接続するための、インテグレーション、SOA、および EDA の機能が、一貫性のある単一のプラットフォームに統合されています。これにより、既存のサービス指向システムを強化したり、完全に新しいソリューションを開発したりすることができます。Ensemble はガートナー. の「SOA コンポジット・アプリケーションのためのアプリケーション・インフラストラクチャに関するマジック・クアドラント」1レポートをはじめ、業界の専門家により、この業界をリードする SOA プラットフォームの 1 つと認識されています。

Ensembleには、効率的な SOA および EDA の開発と展開に必要なテクノロジがすべて含まれています。運用面では、Ensembleは、整合性のあるGUIを1つ備えた、習得が簡単な単一の技術スタックです。
1 「SOAコンポジット・アプリケーションのためのアプリケーション・インフラストラクチャに関するマジック・クアドラント」,
Massimo Pezzini, Ye-im Natis, Kimihiko Iijima, Daniel Sholler, Jess Thompson, Dale Vecchio,.2008年12月19日
Ensemble には次のような機能と能力があります。これにより Ensemble は、EDA を使用して SOA 戦略をより効果的なものにするための最良の基盤となります。
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エンタープライズ・サービス・バス (ESB) – エンタープライズ・サービス・バスは Ensemble の中核にあり、組織が SOA および SOA 以外のソフトウェア資産すべてを統合し管理できるようにします。Ensemble ESB には次のものが含まれます。
- 高速で信頼性の高いメッセージングおよびイベント・ブローカ・エンジン
- メッセージ/データ変換
- Java や .Net など他の技術を使って構築されたレガシー・アプリケーションおよびサービスが、ESB を通じて SOA に接続できるようにするための仲介レイヤ
- デバッグ、レポート作成、監査を容易にするために、バスを通過するメッセージ、イベント、システムの通信をすべて自動的に記録する組込みのInterSystems Caché®データベース
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複合アプリケーション開発とサービスの作成 - Ensemble に用意されている迅速な開発環境では、次のことが行えます。
- サービスの作成、展開、管理
- ガシー・アプリケーションを含む既存のソフトウェア資産を隠ぺいし、 Web サービスの中で、EnsembleのESB、とビジネス・オーケストレーション機能を通して、制御管理
- 複数のソースのデータの統合
- 既存の SOA アプリケーションまたは 非SOAアプリケーションを組み込んだ、新しい「複合」ソリューションの開発
- SOAP、XML、Web サービスなどの SOA 技術や標準をサポート
- 広範囲にわたる、拡張可能なアダプタ・ライブラリを通じて、さらなる技術、標準、およびエンタープライズ・アプリケーションをソリューションに組込み可能
- 高度な Web ユーザ・インターフェースの作成
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ビジネス・プロセス管理 (BPM) - Ensemble には、シンプルなプロセスと複雑なプロセスをどちらも同じくらい簡単に監視できる機能が用意されています。次に示す機能により、イベント・ドリブンのビジネス・プロセスをモデル化、自動化、および実行できるようになります。
- ビジネス・プロセス設計 - Ensemble のビジュアル・エディタにより、ビジネス・プロセスをすばやく設計し、展開
- ビジネス・プロセス・オーケストレーション – 複数の外部アプリケーションにまたがる高レベルのビジネス・プロセスを実行し、それぞれが適切なタイミングでその能力を確実に提供できるようにするために使用されるアーキテクチャ・レイヤ。
オーケストレーション・レイヤは、アプリケーション・プログラミング・インターフェースを通じて、サービス指向アプリケーションとイベント・プロセッサへのアクセスと同様に、従来のアプリケーションへのアクセスも透過的に提供 - ワークフロー・エンジン – 自動ビジネス・プロセスに人間の活動をシームレスに組み込むことが可能。イベントに基づいて、ユーザは人間による処理を含むワークフローを定義することができ、Ensemble のワークフロー・エンジン はユーザ間でのタスクの分散を自動化。これにより、Ensemble は、タスクの割り当てをより効率的に行い、その実行をより確実なものとする。
- ビジネス・ルール管理 – ビジネス・ルールは、技術者以外のユーザでも、イベントに基づいて実行されているビジネス・プロセスの動作の指定や変更を行うことができます。
このルールのロジックの指定や変更は、シンプルなフォーム形式のインターフェースから行います。変更は直ちに有効になります。ルールの変更にプログラミングやフロー図作成のスキルは必要ありません。また、運用コードの変更やコンパイルも不要です。 - ビジネス・アクティビティ・モニタリング(BAM) – Ensemble は、ビジネス指標に関するリアルタイム情報と、主要業績評価指数 (KPI) を表示する Web ベースの企業ダッシュボードを作成する機能を備えています。Ensemble の Web プレゼンテーション・フレームワークと、速度計、走行距離計、インジケータ・ライト、グラフなどの予め用意されているメーターを利用して、すばやくダッシュボードを作成することができます。
Ensemble の組込みデータベースのメリット
Ensemble は、InterSystems Caché 高性能オブジェクト・データベースを搭載した他に例を見ない SOA および EDA プラットフォームです。このデータベースは、Ensemble のイベント処理アーキテクチャの中心にあります。Ensemble は、計算された複合イベントや指標をはじめ、全てのメッセージやイベントをデータベースに格納し、非常に高速にデータを検索、表示、また解析を行います。この高性能データベースは、効率的で共通の検索メカニズムを提供します。このため、複数のイベント・コンシューマやビジネス・プロセスは、再計算の負荷なく、格納されているイベントや指標を利用することができます。
また、このデータベースは、密結合の実行環境とオブジェクト・ストレージを含め、別のEDA 追加機能も提供します。これらの機能は、イベント・ドリブン・ロジックに対して最適化されていて、同じメモリスペースで運用され、Ensemble のメッセージング・エンジン/イベント・ブローカ、またビジネス・プロセス・オーケストレーション・エンジンを高速に実行し、インカミングイベントに高速に応答します。
システム全体のパフォーマンスに影響を与えずに、大量のメッセージやイベント・トラフィックを維持するには、極めて高いパフォーマンスが必要であることは明らかです。Ensemble に含まれる Caché データベースは、テラバイト単位のデータ、何万人もの同時ユーザ、毎秒数百万回のデータベース操作に対応できる能力を持つことが証明されています。このデータベースは、世界各国で、医療、政府、金融サービス、および通信の分野において最も要求の厳しい環境で使われています。
EDA を使った SOA への第一歩
選択した EDA プラットフォームがどれであれ、最初は限られた、ごく少数のイベントを追跡し、対応しながら、将来必ずやってくる成長に対応するためのパフォーマンス、拡張性、信頼性を提供する必要があります。プラットフォームは、最新の SOA、EDA、BPM、統合、および開発機能と共に、使い勝手のよさと、迅速な開発速度を実現する単一で包括的な技術基盤を提供する必要があります。これにより、高度な SOA/EDA システムを、従来のアプリケーション開発と同様に自然に開発できるようになります。
複合と編成、ビジネス・プロセス・モデリング、イベント処理、ワークフロー、ダッシュボード、またユーザによる変更が可能なビジネス・ルールは、自身の開発力に欠かせないものになるでしょう。また、経営者が使用するイベント・ダッシュボードと通知機能は、この情報に基づき即座にアクションを起こす能力と共に、は、ビジネスの管理、向上、また成長に関わる通常使用する信頼性の高い機能となるでしょう。
