ヨークシャー・ハンバー戦略保健局が、単一統合プラットフォームの採用で成果を上げる

構想
ヨークシャー・ハンバー戦略保健局(SHA)のCIOフィル・モリニュー氏とシニアマネジメントチームは、各部門とさまざまな医療環境の間に存在する障壁を取り除き、患者情報を効率的に各地域で共有することが必要と考えてきました。
同チームは、コネクティングヘルス社(CfH)の電子患者記録ソリューションの導入に備えて、精力的にアプリケーション間のアーキテクチャ問題に取り組んできました。このプロセスでの重要な一歩は、接続したアプリケーションを統合、開発するための単一のシームレスなプラットフォーム InterSystems Ensemble®を採用したことでした。

SHAの地域サービスプロバイダCSCでは、すでにEnsembleを使用していました。これは、中央で提供されているソリューションとトラスト単位のシステムを接続するために選択されたものです。一方、モリニュー氏と彼のチームは、トラスト内部で統合プラットフォームを広範囲に使用すればより大きな成果が得られる可能性があることに気付きました。
モリニュー氏は次のように述べています。「大きな進歩の1つは、私たちのSHA地区を構成する37のトラスト間およびトラスト同士で実際の患者の治療パスをサポートできる方法で、医療提供者が情報の共有をすぐに開始できるという点です。これによって、患者に質の高い医療を提供し、さまざまな分野の医療プロフェッショナルがより信頼性の高い患者情報を利用できるようになります。また、データの重複入力を排除できるので、医療従事者には時間を有効活用し、入院時に不必要な入力作業を削減できます」
「CfHの地域サービスプロバイダであるCSCを通して、急性期トラストで既に利用可能だったので、Ensembleは、当地域の標準統合プラットフォームとして理にかなった選択であると考えました」
ヨークシャー・ハンバー戦略保健局
最高情報責任者
フィル・モリニュー氏
この構想を実現するために、SHAでは、各トラストがEnsemble開発ライセンスを入手し、同時にEnsembleを最大限に利用できるように研修を受けるための予算を捻出しました。
出発点
- 迅速な開発
- 高パフォーマンス
- 高度な統合技術
モリニュー氏は続けて次のように説明しています。「ご想像どおり、私たちのSHA地区にあるトラストには、部門ごとに異なるITシステムがたくさんあり、殆どのシステム間ではデータの交換が不可能でした。つまり、複数のシステムに患者情報を入力しなければならない場合が多く、システム間のデータ整合性の欠如につながる可能性がありました。さらに悪いことに、患者データの更新を他のシステムに通知するための仕組みが整っていないという事実がありました」
このことを念頭に置き、プロセス同士を接続して関連性のある患者情報が円滑に流れるようにした統合プラットフォームを構築し、これを各部門共通で導入することで、さまざまな部門間の障壁を取り除くことが不可欠だとモリニュー氏は考えました。
InterSystems Ensembleを選択した理由
モリニュー氏は続けます。「 CfHの地域サービスプロバイダであるCSCを通して、急性期トラストですでに利用可能だったので、Ensembleは、当地域の標準統合プラットフォームとして理にかなった選択であると考えました」
「次の段階は、可能な限り多くの救急トラストで、標準ソリューションとしてEnsembleを採用することでした。一つの診療情報の共有を実現する、という戦略的構想では、中心に単一のインターフェースエンジンを置くことが必要と考えていたためです」
「私たちは、統合を支援するために、急性期トラストのEnsemble開発者(E2)ライセンスの購入と研修に使いみちを限定した協業的資金を組織し、この構想を効率的に実現するよう努めました。」
ヨークシャー・ハンバー戦略保健局
最高情報責任者
フィル・モリニュー氏
「私たちは、統合を支援するために協力的資金を組織して、このプロセス実現を管理しました。その資金で、急性期トラストのEnsemble開発者(E2)ライセンスの購入と研修費用を確保したのです。私たちの構想について説明を受けたプライマリケアトラストは、患者および医療の共有情報がもたらす利点をすぐに理解し、この構想の支持に意欲を示しました」
急性期トラストを支援するためのさらなる方策として、Ensembleの利用をSHA全体に拡大して標準化を図るために、SHAはサービス提供パートナーとしてリスタートコンサルティング社を指名しました。

各地への普及
Ensembleを使用するための知識と経験を可能な限り広く共有するために、SHAはヨークシャー・ハンバーSHAのトラスト統合フォーラム(TIF)を各地で定期的に開催しています。このフォーラムは、各地のさまざまなトラストの主催によって6~8週間ごとに開催されています。フォーラムでは、各トラストのIT担当責任者がCIO補佐のアラン・ベーカー氏と会合を持ち、統合戦略の実現について意見交換を行い、役に立つ情報を提供し合っています。
TIFの重要性を強調しながら、ベーカー氏は語ります。「この地域のNHSトラストは、それぞれ非常に難しい問題に直面しています。処理するシステムがトラストによって異なるので、統合機能を導入するまでの、基準となるスケジュールの設定が困難です。そのため、共同作業が必要不可欠でした。このようにして、Ensembleを早い段階で導入したトラストの経験から学び、この地区への将来のEnsemble導入計画を立てることが出来たのです」
成果
ドンカスター、バセットローとロザーハムを含めたヨークシャー・ハンバーSHA地区にある急性期トラストでは、新しく構築した相互運用性の成果がすでに現れ始めています。たとえば、部門別システム間での情報を共有することで、処置の際、臨床医がより多くの情報に基づいて簡単に判断を下せるようになりました。患者にとっても、各部門で何度も情報を提示するのではなく、1回の登録で済ますことができるという利点があります。
「現在のITシステムのより良い活用法を求める上で、私たちの、診療記録の共有化に向けた取り組みで証明された成果が、他の9か所のSHAでも利用できるモデルとなることは間違いありません」
ヨークシャー・ハンバー戦略保健局
最高情報責任者
フィル・モリニュー氏
さらに、相互運用性によって、患者にとって不必要な病院の予約を減らす効果も現れています。臨床医は、患者と会わなくても記録を確認でき、実際に診察が必要な場合にのみ、患者に診療所の訪問を求めることができるようになりました。また、事故や救急の際には、職員が必要な情報をすぐに入手し、それに応じて患者の搬送先を指示できるので、病院側で受け入れるまでの待ち時間が大幅に短縮されています。
最終段階
Ensembleは、いまやSHAの共通統合プラットフォームとして幅広く使用されており、15か所の救急トラストのうち、統合プロジェクトとして他のオプションを選択しているトラストはわずか2か所のみとなっています。
まとめ
モリニュー氏は、次のようにまとめます。「ITシステムのより良い活用方を追求する上で、私たちの、診療記録の共有化に向けた取り組みで証明された成果が、他の9か所のSHAでも利用できるモデルとなることは間違いありません」
ロジャーハム NHS財団トラスト、IT戦略の基盤にInterSystems Ensemble を採用

ロジャーハムNHS財団トラストは、InterSystems Ensemble®を使い始めてからまだ9か月ですが、既に、その成果が表れています。トラストでは、eGateと呼ばれていたOracle社アプリケーション統合用の管理サービスに、既存の統合メッセージングエンジンである、Oracle社のeGateを使用していました。つまり、トラストで新規インターフェースの作成が必要になるたびに、新たに費用が発生していました。アプリケーション統合エンジンであるEnsembleを使用したところ、インターフェースがシンプルになり、費用が削減され、構築と使用が非常に迅速になりました。
このトラストのIT責任者であるデービッド・ブラウン氏は説明します。「このトラストの課題は、以前の患者管理システムと旧型の部門別医療システムを、完全に統合された電子カルテソリューションに置き換える必要があるという点です。また、将来、接続された医療のためのソリューションと連携して使用できる適切な統合プラットフォームの選択を目指しました」
このトラストには、部門ごとのシステムが異なるため、インターフェースや、ケア UK社の画像保存通信システム(PACs)のような、サードパーティ製の外部システムを必要としていました。以前は、病院の通信基盤に接続されていない、離れた場所からX線などの画像がPACsによって送信されていたため、臨床医が画像を手にすることが困難でした。このため、このトラストでは、HL7のサポートのほか、DICOM画像管理などの機能を備えた統合プラットフォームへの移行を決定しました。トラストの組織内チームは、DICOM画像管理を備えた最新バージョンのEnsembleを利用し、インターシステムズの支援も得て、わずか5日間でDICOMインターフェースを作成できました。
このトラストでの統合とITへの戦略的取り組みへのEnsembleの貢献について、ブラウン氏は述べています。「Ensembleは、トラストの統合とインターフェース戦略の基盤です。重要なことは、運用上の影響を最小限に抑えつつ、古いシステムから新しいシステムにシームレスに移行できることです。Ensembleは、導入したままの状態ですぐに使用できました。決定的なことは、システムとの接続が可能になり、これまでより高いビジネス価値が得られる点です。Ensembleによって、私たちが求めていた柔軟性とスケーラビリティの向上が実現しました。」
InterSystems Ensembleは、ドンカスター&バセットロー病院
NHSトラストで推進される統合プロジェクトの重要基盤

ドンカスター&バセットロー病院NHS財団トラストのIT部門では、わずか30人の職員で、5,500人を超えるスタッフが勤務する5つの地元病院をサポートし、また、41万人の患者に対処していました。ITシステム開発担当マネージャ、ジョン・アルドホス氏は、乏しいITリソースで、システムを開発、改善する必要がある、と考えていました。一方で、多量のポイント・ツー・ポイントインターフェースの管理に多くの時間を費やしていたため、各部門システムの統合が必要になっていました。これらのインターフェースは主にマッケソントータルケア社の患者管理システム(PASとの接続のためで、いずれのインターフェースも業界標準のHL7メッセージングを使用しておらず、アプリケーションメッセージの送受信タスクは恒常的な課題となっていました。
このトラストがHL7の英国ユーザグループに参加したとき、アルドホス氏は、アプリケーションの統合方法を変える必要があると認識しました。このトラストに必要なものは、ITチームが管理しやすく、拡張性のある方法で、組織の全部門に接続可能なインテグレーション機能とともに、業界標準のメッセージプロトコルを提供する統合プラットフォームでした。
市場に流通している各製品を調査し、機能検証プロジェクトを実施した後、接続されたアプリケーションの統合と展開に、シームレスなプラットフォームであるInterSystems Ensemble®と選択しました。統合プログラムを迅速化するために、インターシステムズとリスタートコンサルティング社からコンサルタント、教育、および研修を受けることを決めました。リスタートコンサルティング社は、地区の戦略保健局が統合パートナーとして選択した企業です。
トラストは、短期間でEnsembleを利用可能にし、中核となっている3つの部門別システムを接続し、HL7メッセージフローをPASに送信するメッセージハブを作成しました。これには、臨床記録システム、手術室システム、および放射線医学情報システム(RIS)が含まれており、このRISは、腎臓科システムと統合されて、放射線科で成果を上げています。トラストでは、この成功に基づいて、病理学科、処方伝達、産科、および薬局の統合が計画されています。
実現できた点を評価して、アルドホス氏は次のように述べています。「Ensembleソリューションの導入によって、すべてのインターフェースを1か所から管理できるようになり、IT部門の作業を効率化できました。問題が生じた場合は、ユーザより先にIT部門に伝わり、可用性に影響を与えないように迅速な措置を取ることができます。」
導入時に学んだことや、リスタートコンサルティング社がさらに行った、Ensembleの高度な研修を通して、トラストは次の24か月で他のすべての医療システムに接続するインターフェースの開発を迅速に完了する予定です。

