Caché と Ensembleで、出版システムを一新

より多くの読者がWebベースの情報源を選択する中で、今日、新聞社が直面している2つの問題は、購読者と広告収入の減少です。英国に本社を置く、大手新聞社のクラベリー・グループは、この脅威を実感していました。読者がいつでも、どこでも、どの手段でも情報を手に入れたいと期待している今、同社は、ビジネスを成功させるためには、コンテンツ配信の方法を一新する必要があると認識していました。この過程における重要な点は、コンテンツ作成と配信用ソフトウェアを変更することでした。2007年の終わり頃、同社はクラバリー社の独立部門である、プレス・コンピュータシステム(PCS)社に依頼し、以下のようなことを実現可能にする、新しい出版用ソフトウェアプラットフォームの開発を開始しました。
- 高パフォーマンスと拡張性
- 迅速な開発環境
- 先進の統合技術
- 最大の自由度と最小の労力で、複数のメディアフォーマットにニュースを同時に公開し、記者、編集者、制作チームを支援
- ニュース配信のメディアフォーマットから、全てのコンテンツを分離させる
- 現在、ニュース発行に使っているページネーション、ワイヤーサービス管理、写真編集、デジタルアーカイブ管理システム機能を、単一のシステムに統合
- 「いつ、どこでも業務を行える」ことで、制作者の可動性(モビリティ)と柔軟性を強化
- より簡単で迅速に、充実したマルチメディア配信のための高度なワークフローを提供
この取り組みに、PCS社はインターシステムズ社のソフトウェア- 高パフォーマンスなオブジェクトデータベース InterSystems Caché® と迅速な統合・開発プラットフォーム InterSystems Ensemble® ―を選択しました。
Caché とEnsembleの選択
「関係するコンテンツを自動的に関連づけ、複数のメディアへ同時に公開するための高度なワークフローを構築することで、ライタ、編集者、デザイナがより効率的に業務を行うことができるソフトウェアソリューションを求めていました」と、PCS社のマネージングディレクタ、フィリップ・ウォーカー氏は述べています。これらの画期的な機能を実現し、アプリケーションを迅速に開発するためには、革新的なアプローチが必要でした。
「実行可能かの議論の初期段階で、これまでの出版システムで使っている異なるファイルではなく、データベースに、記事に必要な全ての要素を1つのオブジェクトに集約できないかと考え、より簡単で時間もかからない高度なソリューションがあると分かりました。また、O/Rマッピング不要で、アプリケーションオブジェクトを抽出・保存可能なCachéの機能により、開発効率と、アプリケーションのパフォーマンス向上が期待できると考えました」と、PCS製品グループマネージャのピーター・コール氏は述べます。
「Ensembleを使うことで、BPL開発や統合技術ではなく、システム設計やコーディングにおいて、当社の専門である出版分野に注力することができます」
ピーター・コール氏
「このプロジェクトのために何種類かのオブジェクト指向データベースを評価し、PCS社は迅速な開発環境、高パフォーマンス、SQLとの互換性、そして実証済みの信頼性と拡張性で、Cachéを選びました。新しいアプリケーションは、(映像や音声といった)多くの大容量で複雑なデータファイルを管理し、格納するように設計されているので、評価プロセスには、そのような負荷をシミュレートする、Cachéの負荷テストも含まれていました。そのテストで、予想され得る最大の要件をはるかに超える負苛も、処理可能なことが分かりました。
結果として「PCSナレッジ」は約12カ月で開発されました。PCS ナレッジは、完全に統合されたマルチメディア出版とデジタルコンテンツ管理システムです。2009年1月、英国、西ミッドランド州のミッドランド・ニュース・アソシエイション社で最初に運用されました。
ソリューションに高度な機能を統合
「PCSナレッジは、基本的な機能から、いくつかの非常に高度な技術を統合して構築されています。新聞業界ではこれまで見られないシステムで、それらを統合することで新しい仕事の仕方を可能にします」と、ウォーカー氏は述べています。
ナレッジは、Ensembleのメッセージング、ビジネスルールエンジン、ビジネスプロセス編成機能、ワークフロー、サードパーティのシステムとの迅速な統合機能によって拡張され、核となる連携とプロセス管理機能を実現しています。「今まで、開発者は全ての機能のコードを直接アプリケーションに書き込まなければいけませんでした。しかし、Ensembleを使うことで、BPL開発や統合技術ではなく、システム設計やコーディングにおいて、当社の専門である出版分野に注力することができます」と、コール氏は言います。
Caché,、EnsembleとPCS社の革新的な開発者が連携し、出版システムを構築しました。そこには、初版後に、記事が動的にそして長期保存されています。インターシステムズ社のパートナであるiKnow社の最先端の意味解析システムにより、PCSナレッジは関係のあるコンテンツ(テキスト、音声、映像、画像、その他のソース)と関連づけ、“パッケージ”としてCachéに保存します。記事の要素(または記事全て)は、意味を持つクエリと他の記事の関連性に基づいて抽出することができ、出版プロセスを簡単にし、いつでも確実に再利用が可能になります。
意欲的な目標+インターシステムズ社の技術=価値有る結果
ウォーカー氏は次のように述べています。「私達には、意欲的な目標がありました。特に、出版ソフトウェアのベースである印刷というパラダイムから脱却することです。インターシステムズ社のソフトウェアは、この目標を達成するのに不可欠でした」 PCS社の顧客は、様々な出版ソフトウェアパッケージをナレッジに置き換え、コストを削減しています。ライタ、編集者、デザイナは、ナレッジのWebブラウザをベースとした機能を使い、どこででも仕事をすることができます。コンテンツは紙媒体に束縛されることなく、出版社は、最適なメディアで情報を伝達することができます。また、PCS社は、マネジャ判断の出版利益への影響を即座に視覚的に把握する手段として、組込型リアルタイムBIソフトウェア InterSystems DeepSeeを評価しています。
「インターシステムズ社と仕事をし、その技術を使う決断をして、本当に満足しています。結果として出版に携わる人間が、出版技術ではなく、適切でタイムリーなサービスを顧客に届けることに集中できる、独自の製品を生み出すことができました。PCS社は差別化された競合力を得ることができました」と、ウォーカー氏は結びます。

