パートナーズヘルスケア、InterSystems Ensemble®で、革新的なパーソナライズ医療を実現

2009年、ボストンに拠点を置くパートナーヘルスケアセンターのパーソナライズ遺伝子医療(PCPGM)では、ユタ州出身のある男性を対象として、遺伝性心臓病である肥大性心筋症の遺伝子マーカーの検査を行いました。その男性の検査結果は、インターシステムズ社の Ensembleの高度な統合技術をベースに、パートナーズヘルスケアが開発した新しい臨床遺伝子ネットワークシステムを通じて、ユタ州ソルトレイクシティのインターマウンテンヘルスケアにある個人の電子医療記録に、転送されました。この遺伝子検査結果の史上初の電子転送の成功は、パーソナライズ医療の新しい時代の幕開けとなりました。この13ページにわたる結果を紙面に印刷していたら、ほとんどの医師にとって、入手、共有、および解釈が困難だったと考えられます。
DNAの徹底的な調査
パーソナライズ医療は、遺伝子検査を行うことで、個人の要件に合わせた医療を作り上げるための個人情報が取得可能である、という概念に基づいています。個人のDNA塩基対から、正常なものとは異なる対、つまり変異性の対を特定することが、オーダメイド医療の最初の一歩です。変異と既知の効果との相関性を検討したうえで、医師にそれを伝えます。この情報を患者の電子診療記録(EMR)に追記すれば、たとえば、副作用を最小限に抑える薬物を選択する場合や、より良い治療結果を得るための方策を立てる場合に指針として役立てることができます。
EMRへのDNAの追加
- 高度な統合と開発
- 柔軟性のあるビジネスプロセス管理
- HL7のみにとどまらないインターフェース技術
重要な点は、複雑な遺伝子データをEMRに追加し、有用な情報として医師に提供することです。この面では、データを処理して送受信するシステム、また医師がそのデータを利用できるようにするソフトウェアがないことが、進歩を妨げていました。パートナーズヘルスケアからインターマウンテンヘルスケアへの転送という画期的な躍進は、パートナーズヘルスケアによるヴァリアントワイヤの開発によって可能となりました。これは、インターシステムズ社のEnsembleを基盤とした臨床遺伝子ワークシステムです。このプロジェクトでは、遺伝子変異メッセージング規格に関するHL7 臨床遺伝子ワークグループとの緊密な協同作業、変異の特定および健康と疾病で変異が示す役割の特定に使用するソフトウェアの開発なども展開されています。
接続されたアプリケーションのための、高機能な開発環境
パートナーズヘルスケアのチームリーダーであり、Ensembleベースのヴァイアントワイヤ用フレームワークの開発リーダであるスティーブ・ウッドワース氏は、次のように語っています。「Ensembleで非常に気に入っている点は、使いやすさと再利用性です。パートナーズヘルスケアにとって、これまでの成果を活用できることが重要なポイントです。たとえば、以前のプロジェクトの一環として、外部の医師のEMRをパートナーズヘルスケアの内部システムに接続し、双方向でデータを共有するために、Ensembleのビジネスプロセスとデータ変換機能で構成したフレームワークを作成しました。このフレームワークでパートナーズヘルスケアでは、新しい診療医のEMRをわずか30分でシステムに接続できるようになりました。このフレームワークの概念とコードの一部をヴァリアントワイヤの開発で使用しています」
「Ensembleは、そのままですぐにHL7に使用できますが、HL7以外のタスクでの利用がますます増えています。Ensembleは高速で、高性能です。最小限の労力で、多くを実現します」
パートナーズヘルスケア、パーソナライズ遺伝子医療チームチームリーダー
スティーブ・ウッドワース氏
Ensembleによる開発チームの統合
ヴァリアントワイヤのアーキテクチャは、このフレームワークに存在するさまざまなコンポーネントに対し、「プラグアンドプレイ」(接続するだけですぐに使用できる機能)を実現しています。ウッドワース氏は次のように語っています。「私たちは、Ensembleのビジネスプロセスを使用して全体的なプロセスと情報のフローを処理するフレームワークを作成しました。これは、きわめて一般的な方法で作成したフレームワークであり、クラス主導型です。このため、テーブルを表示してパラメータを変更するだけで、呼び出すコンポーネントを指定して、新しい研究所からの入力や新しいEMRへの出力にヴァリアントワイヤを簡単に対応させることができます。きわめて高機能なソリューションを作成するために、Ensembleで多くのコードを記述する必要はありませんでした」
ヴァリアントワイヤは、EnsembleのXMLツールとJavaゲートウェイを最大限に利用して、遺伝学系開発者が記述したソリューションコンポーネントを組み込みます。このようなコンポーネントには、結果の評価システムや遺伝子変異解釈システムなどがあります。ウッドワース氏は説明します。「Ensembleの素晴らしい点は、パートナーズヘルスケアの全員が新しい技術を習得する必要なく、彼らの専門知識をこのプロジェクトで発揮できたことです。遺伝学系開発者はJavaおよびXMLのユーザです。これらの開発者が使用を望んでいるツールはJavaとXMLなのです。Javaで行う作業をEnsembleでも行い、またXMLとXSLTを問題なく利用できることが分かると、彼らはこれらの機能を使いたいと望みました。」
画期的なアプリケーションを容易に作成可能
遺伝子検査には、さまざまな検査機関や検査が関与します。しかしながら「各検査機関をすべての医療提供者に接続することは考えられないので、必要なものはヴァリアントワイヤのようなハブアーキテクチャでした」と、パートナーズヘルスケア 情報技術本部長のサンディ・アロンソン氏は言います。長期的には、予防治療や患者治療法の決定に幅広く遺伝学を利用可能とするうえで必要なインフラストラクチャ基盤を拡大するために、多数の研究所をヴァリアントワイヤに接続することをパートナーズヘルスケアは目指しています。目標は、ヴァリアントワイヤに接続するすべての検査機関が、この安全な1つのインターフェースを通じて、ネットワークに参加している他のすべての機関に接続できるようにすることです。
パートナーズヘルスケアは、HL7メッセージング以来、Ensembleの長期ユーザとなっています。ウッドワース氏は言います。「Ensembleは、そのままですぐにHL7に使用できますが、HL7以外のタスクでの利用がますます増えています。Ensembleは高速で、高性能です。最小限の労力で、多くを実現します。私たちは、Ensembleを使ってプロジェクトに対する多くの課題を解決し、パートナーズヘルスケアは継続的に成長しています。そのすべてをやっているのかと、皆さんは驚きます。私は謙虚に、そんな大変な仕事ではないですよと返します」

