ルートンアンドダンスダブル病院 NHS基金トラスト、SOAによるアプローチでアプリケーションを統合

Luton and Dunstable Hospital

シンプルなアーキテクチャを求めて

マーク・イングランド氏がIT部門の責任者として、ルートンアンドダンスダブル病院NHS基金トラストでの勤務を開始して間もなく、彼は複雑なアーキテクチャも引き継いだことを認識しました。

マークは次のように述べています。「それは、まるでクモの巣のようでした。多くのアプリケーションが存在し、50以上のポイント・ツー・ポイント インターフェースで接続していました」

これは、必ずしも珍しいことではありません。IT業界が進化するにつれ、広範で多様なシステムやプラットフォームが現れ、ほとんどのシステムは、同じ設計のシステム間でだけやり取りが可能な独自の通信方式をもっています。このことは、特に、臨床、管理業務に特化した、単―機能のシステムで溢れている医療の分野において顕著です。これは、IT環境が良く言われるように、ひどく「サイロ化」していることを意味します。

Luton and Dunstable Hospital

マークは、この状況が、基本的なビジネス上の問題であると考えていました。彼は、次のように説明します。「医療業界は、新しい法律の要求と、医療の進歩と言う常に変化する状況下にあります。ポイント・ツー・ポイントのインターフェースの場合、これらの変化に対応するようにシステムを変更する必要がある度に、非常に時間もコストもかかります」

また、多様なアプリケーションを記述したドキュメントがないという問題もありました。これにより、一層変更が難しくなります。さらに重要なことは、アプリケーションの接続・統合問題は、マークと彼のチームが、新しい情報に基づくサービスへのビジネス要求を実現することを困難にしています。

マークは、トラストのアプリケーション間のポイント・ツー・ポイントによる密結合を取り払うことを決めました。彼の目的は、最小限の書き換えと再テストで、旧システムを置き換え、より迅速、低コストで新しいサービスを提供することでした。

長期的には、病院のITアーキテクチャを単純化し、新しい患者管理システムのスムースな導入に備えたいと考えていました。

新しいサービス指向のアプローチ

調査の結果、病院のソフトウェアアプリケーションを、SOA(サービス指向アーキテクチャ)で再編成することが、彼の目的を達成する上で一番良い、との結論に達しました。

主な利点

  • コスト削減
  • 新しいサービスを迅速に構築
  • 継続的なROIの実現

マークは、次のように説明します。「SOAアプローチの利点は、システムが同じ言語を使用できることです。もし全てのシステムが同一のフレームワークを使って通信できれば、統合は複雑ではなくなり、より迅速にシステムを実装することができます。この方法でソフトウェアサービスを展開すれば、異なるビジネスプロセスにおいても、プログラムを書き換えることなく、繰り返し使用することができます。全般的に、SOAアプローチは非常に柔軟性があり、効率的で、ダイナミックなIT基盤を実現します」

この構想を実現するために、マークは、接続可能なアプリケーションためのシームレスなインテグレーション・開発プラットフォームである InterSystems Ensemble® の導入を選択しました。

マークは次のように述べています。「Ensemble の選択理由は、SOAでのサービスの開発と管理において、単一で構造的に一貫性のあるソリューションを提供するためです。例えば、既存インフラの一番上の階層にEnsembleを置くことで、SOA実装に共通して使用されるESB(エンタプライズ・サービス・バス)製品の全ての機能を提供します。さらに、Ensemble は包括的なアプリケーションとデータの抽象化機能を備えているので、サービス統合にかかる複雑さを軽減し、必要に応じて、異なるビジネスプロセスにサービスとデータを組込むことができます。」

Ensembleの選択理由は、SOAでのサービスの開発と管理において、
単一で構造的に一貫性のあるソリューションを提供するためです。

ルートンアンドダンスダブル病院 基金トラスト
IT部門 責任者 マーク・イングランド氏

新しいSOAの構築と実装のために、マークはインターシステムズ社のチームと、同社のパートナであり、医療分野における統合サービスのリーディングプロバイダである、インテグレラ社と密に協力しました。その結果、ルートンアンドダンスダブル病院のESB構想に基づいた「ヘルスバス」 という新しいシンプルなアーキテクチャが構築されました。これにより、共通言語で、アプリケーション間通信を可能にします。

概して、このプロジェクトは、救急、患者管理、病理、電子治療部門をはじめとする3,000ユーザがアクセスする50以上の重要なアプリケーションを取り扱います。

SOA構築する上でEnsembleを使用することの利点について

プロジェクトの範囲とコストの管理

SOAは、時間とコスト削減のためのアプローチですが、過去には、逆効果を生み、マイナスの評判を受けたプロジェクトも存在します。インターシステムズ社との協業では、マークはそのような問題にぶつかることはありませんでした。

マークは、次のように述べています。「数年前は、SOAプロジェクトは、構築に多額の費用と時間が必要で、一方、ビジネス面では期待していた利益を必ずしも実現しないものとして知られていました。インターシステムズ社とインテグラ社と協力することで、作業の範囲を明確にし、SOAの利益を定義されたレベルで提供することができました。これにより、開発費用に関しては厳密に管理でき、すぐに効果を見ることができました。

投資に対する長期収益

初期投資コストが抑えられる上に、Ensembleは、長期に渡り、トラストのコスト削減に貢献します。

「アプリケーション間のポイント・ツー・ポイント接続を排除したことで、最小限のコード書き換えか、または下位インターフェースの再テストを行うことで、既存のシステムの置き換え、あるいは、新しいシステムの導入が可能になりました。新しいインターフェースを構築するために、2万5千ポンドから8万ポンドの範囲であれば、いくらでも出していましたが、こうした作業は、組織内で、ほとんど、または全く費用をかけずに行うことが可能になりました。これによって、この先3年間で、少なくとも10万ポンドの節約をすることが可能です」

接続されたアプリケーションを使って、新しいサービスを構築

ESB(ヘルスバス)を構築するためにEnsembleを使うことで、トラストは、組織内のITシステムユーザを対象に、既に情報サービスの効率向上を開始しています。それは、最終的には、医療の質と一貫した患者サービス提供を改善することになります。

マークは次のように述べています。「現在、患者管理システム(PAS)から入ってくる、入院、退院、転院に関する基本メッセージに対応しています。それらの情報をヘルスバスに取り込み、記述システムを追加しているところです。また、複雑な双方向の入退院と転院用のインターフェースを開発しています。例えば、産科で乳児が生まれた時や救急外来に緊急入院があった時、登録情報はヘルスバスに戻されます」

「SOAを構築することで、より積極的に新しいインターフェース開発の院内の課題や要求に応えることができます。具体的には、結果や異なる情報セット、形式を求められる共同研究を支援しています。」

さらなる統合を目指して

Ensembleを使ったSOAアプローチの実装を推進する大きな理由の一つは、2011年に新しい患者管理システムの契約期間の開始が予定されていることです。マークによると、トラストは、混乱を最小限に抑え、最大限の投資効果が得られるような移行ができると考えています。

新しいインターフェースを構築するために、2万5千ポンドから8万ポンドの範囲であれば、いくらでも出していましたが、こうした作業は、組織内で、ほとんど、または全く費用をかけずに行うことが可能になりました。これによって、この先3年間で、少なくとも10万ポンドの節約をすることが可能です。

ルートンアンドダンスダブル病院 基金トラスト
IT部 部長 マーク・イングランド氏

「新しい患者管理システム導入の道を開き、それを成功させるために、PASに関わりのある煩雑なインターフェースを減らす必要がありました。それにより、様々な下流システムを管理することのできる単一のインターフェースと統合プラットフォームが実現します」

「Ensembleは既にインストール済みなので、テストとリスク、コードの書き換えが最小限でPASの導入が可能です。これにより、結果として、新しいPASの導入かかる費用が可能な限り抑えられます。昨今の経済状況を考えると、こうしたコスト管理が何より重要なのです」と、マークは述べています。