Cachéによる高速検索が可能な臨床情報検索システムを構築
浜松医科大学附属病院( 静岡県浜松市)
浜松医科大学附属病院は、1977年に開院し、患者第一主義の医療を提供し、静岡県西部を中心によりよい医療技術の開発や、地域医療の中核としての大きな役割を担っています。特に医療情報システムでは、国内の病院に先駆けて先進的な取り組みを続けています。
浜松医科大学附属病院では、2002年5月よりCachéを使った臨床情報検索システムを導入・運用しています。臨床情報検索システムとは、オーダリングシステムと連動し、すべての患者の検査、処方、病名、入退院のオーダ情報を保存・蓄積し、その検索を行うシステムです。浜松医科大学病院では、これらすべてのデータをHL7(医療情報メッセージ交換規約)形式で送信しています。蓄積されたすべての情報を、病名、薬品、検査結果値、入院条件等の複合した複雑な条件により、必要なデータを検索し、治療や研究に役立てています。
臨床情報は臨床の立場からすると、過去のすべてのデータを保存・蓄積し、必要なときにすぐに検索ができるシステムが求められていましたが、これまでは、データ量が膨大であることと実用に見合う検索スピードが得られないということから、一定期間でオーダデータを待避させ、すべてのデータをシステムに蓄積しておくことができませんでした。「臨床情報のようなデータは階層構造をもっており、それを管理するデータベースは、オブジェクト指向データベースが最適と考えていました。しかしODBMSは、思ったようなレスポンスが得られないという問題がありました。」と浜松医科大学の木村通男教授は語ります。そこで、多次元構造をもち長期の医療データをそのまま格納でき、高速検索スピードの出せるCachéが検討され、採用にいたりました。
医療情報は非常に複雑で、データは階層構造をもっています。またHL7も階層構造で表現することができます。多次元構造をもつCachéは、そういった医療データをそのままの形で格納でき、またHL7との親和性も高く、かつ高速検索を可能としています。正に同院の要求に合致するデータベースであった訳です。浜松医科大学附属病院では、運用開始から8年間の全データを蓄積していますが、すべてのデータを検索しても数秒でレスポンスを返しています。「複合条件による複雑な検索で高速なレスポンスを実現しているのは、国内でも当院だけでしょう。検索のスピードには非常に満足しています。」と、木村教授は説明します。さらに、「高脂血症剤なら、何でも」などといった曖昧検索にも柔軟に対応できるのも、Cachéによる臨床情報検索システムの優れた点です。また、このシステムは、CachéのWeb技術であるCSP(Caché Server Pagers)を使って標準的なWebシステムとして構築されています。クライアント側は、Webブラウザを使用してこの検索システムを利用しています。
ユーザが使いやすいリッチなインタフェースを実現しており、これにより臨床医だけではなく、薬剤師による服薬指導や技師による利用など、その活用範囲を広げているほか、長期データを利用したインフォームドコンセントやHISシステムダウン時のバックアップなどにも利用され、同病院の中核的なシステムとして活用されています。

