クリニカル・データ・リポジトリの構築による
医療の質の向上を目指す
岐阜大学医学部附属病院( 岐阜県岐阜市)
岐阜大学医学部附属病院は、中部地区の中核的な病院で、平成16年1月1日に新たに新施設を新築、移転し、高度先進特定機能病院として生まれ変りました。ベッドサイドまで光ファイバーを張り巡らせ、すべての医療情報を完全電子化したトータルインテリジェントホスピタルです。ベッド数600強、内科、整形外科、脳神経科、眼科、皮膚科、泌尿器科など、15の診療科と高次救命治療センターなどの診療施設を備え、約400名の専門医が患者に高度医療を提供しています。
岐阜大学大学院医療情報学の紀ノ定保臣教授によると、移転に際して目指したものは、情報の共有化と標準化で、その目的は情報やデータを十分に活用できることにあると言います。そのために開発・構築されたのは、患者情報のあらゆるデータを一元管理し、運用・利用することのできるCDR(クリニカル・データ・リポジトリ)であり、その中核的データベース技術としてCachéが使われています。CDRは、岐阜大学医学部附属病院で運用している医事会計、オーダリングシステム、各種画像システム、電子カルテシステム、検査システムなどの多様な部門システムから、すべてのシステムにあるデータを一元的に集約し管理するというものです。データの収集はリアルタイムに行われ、病院内のすべてのデータがドラッグ&ドロップで取り出せるようになっています。患者ごとの診療情報等が時系列にすべての履歴が見られるほか、患者ごと、入院ごとの原価管理も行え、クリニカル・パスウェイの評価や病院の経営分析に活用できます。このデータをXMLやCSV形式で取り出し、OLAPを使って多次元に分析することも行っています。「データは保存したものをそのまま見るだけではなく、それを使って判断するために利用できること、多次元で分析アウトプットできることが重要です。」と紀ノ定教授は語ります。「医療データはスパース構造で、患者ごとに違うものです。また、患者さんの病歴、体質や今後は遺伝子情報を含む長期的なデータをすべて保存されなければ正確な判断はできません。膨大なデータを一元的に保存し、必要なデータをリアルタイムに素早く取り出すことが必要です。」
こうした厳しい要件のCDRをCachéは支えています。岐阜大学医学部附属病院ではこのCDRを構築したことにより、病院内全ての臨床情報、経営情報を投影できるクリニカルコックピットを設置し、医療の質の向上や経営にも役立てています。
「情報共有と一元化管理という意味では、世界に例のないデータベースのシステムであると思います。」と、紀ノ定教授は結んでいます。

