ナヴァンティア社は、InterSystems Caché®を使用して次世代船舶管理システムを開発

現代の軍艦は、きわめて優れた船舶というだけでなく、様々な側面をもった非常に複雑な情報システムでもあります。この認識のもと、スペインを拠点とする最大の軍需造船会社であるナヴァンティア社は、IPMS(統合プラットフォーム管理システム)と呼ばれる次世代船舶管理システムを開発し、他社との効果的な差別化を実現しました。
ナヴァンティア社の高度なIPMSの要となるのは、COMPLEXと呼ばれる画期的なソフトウェアアプリケーションです。これは、ナヴァンティア社とその開発パートナーであるアリスノヴァ社がインターシステムズ社のオブジェクトデータベース Cachéを使用して構築しました。COMPLEXでは、船舶制御や監視のような標準的な機能を、その他の高度な機能(破損制御、保守管理、船上訓練など)と統合を可能にし、船上運用システムを強化しています。これは、部分的には、造船所での設計や構造のデータ(図面、仕様書、表計算ソフト)から情報を抽出することで可能になっています。現在、ナヴァンティア社では、スペイン、ノルウェー、ベネズエラ、オーストラリアの海軍向けにIPMSプロジェクトが進行中です。
- 適応性
- オブジェクトを表す豊富なデータモデル
- 高パフォーマンスなイベント処理
ナヴァンティア社 制御システム部門のテクニカルディレクタであるジュアン・ルイス・ミュノス氏は、次のように述べています。「私たちは、世界中のどこよりも優れたシステムを開発できました。これによって、私たちは競合他社との差別化を図ることができています。統合船舶情報システムがあるために、船舶を販売できたこともありますし、船舶そのものよりもこのシステムが重要な場合もありました」
IPMSは、分散リアルタイムデジタル制御システムです。このシステムは、多機能制御コンソールとデータの取得と制御に使用する一連のPLC(プログラマブル・ロジックコントローラ)で構成されています。このコンソールには、船上のさまざまな場所からシステムオペレータが操作するためのHMI(ヒューマン・マシン・インターフェース)が搭載されています。システム全体の接続性は、冗長化されたネットワークで提供されます。IPMSは、あらゆるタイプのサブシステム(およびそれぞれのソフトウェア)を追加してその統合に容易に適応できるオープンアーキテクチャ設計になっているため、同じ情報フレームワークの下ですべてが動作可能です。その結果、設置、購入、メンテナンスに要するコストを大幅に節減可能な機能性を実現します。
従来のリレーショナルデータベースやSCADA(監視制御)システムには、制約があり、高パフォーマンスのIPMSは実現不可能だったため、ナヴァンティア社はこれに代わるものを検討しました。複数のセンサー、各種船上機器、システムリレーションシップ、プロセスワークフロー、多種多様な情報(静的、動的、リアルタイム、アクティブ、履歴)に対応しなければならないIPMSから見ると、これらのデータモデルは単純すぎて、しかもアーキテクチャは柔軟性に乏しく、パフォーマンスの制約が大きすぎました。
候補となるシステムを検討した後、ナヴァンティア社は、いくつかの理由でインターシステムズ社のCachéをCOMPLEXのソフトウェア基盤として選択しました。ミュノス氏は次のように述べています。「Cachéのデータ同期化と複製機能は、分散制御アプリケーションの展開における要です。また、COMPLEXはWindowsとLinuxの両方のアプリケーションを実行できるマルチプラットフォームのソリューションです。そのため、同じように両方に対応できるデータベースエンジンが必要でした。Cachéの優れたアクセス速度は、状況に応じたメニューや即時にレポートを生成するためのリアルタイムなクエリを可能にします。また、Cachéのアクセス速度と圧倒的なストレージ能力により、アプリケーションのパフォーマンスを犠牲にせずに、リアルタイムデータを履歴データベースに取り込むことができます」
「Cachéのアクセス速度と圧倒的なストレージ能力により、
アプリケーションのパフォーマンスを犠牲にせずに、リアルタイムデータを
履歴データベースに取り込むことができます取り込むことができます」
ナヴァンティア社
制御システム部門テクニカルディレクタ
ジュアン・ルイス・ミュノス氏
さらに、CachéはCOMPLEXの最も革新的なビジュアル機能の1つである統合ディスプレイ環境を実現します。この環境では、次の3つの異なる相互補完ビューで船舶操縦士に情報が提示されます。
- システムの機能概要を簡潔化して提供する、2次元の構成図
- 船内各区画にある各機能の正確な地理的位置を提供する、ズーム、パン、および回転機能を備えた3次元詳細ビュー
- あらゆる種類の情報をフィルタ処理や検索する高機能ツールを備え、船上装置やシステムについてのデータシートを表示する「データ探索」ビュー
CachéのコアによるCOMPLEXには、6,5000の信号まで拡大している高システムスループットの実現という特性があります。また、COMPLEXにはリニアな拡張性があるため、新たに開発を行うことなく、必要に応じてユーザ数を簡単に増大できます。さらに、COMPLEXの再利用性によって、新しいIPMSプロジェクトの実装に必要な開発時間を80%短縮できます。
COMPLEXは既にIPMSのトップに位置しますが、ナヴァンティア社には意欲的な計画があります。ミュミュノス氏は次のように語っています。「将来的には、船舶運用データを収めた巨大なCaché データベースを作成し、機器メンテナンスの専門家がそれにアクセスして、機器設計やメンテナンス基準を改善できるようにするつもりです。また、機器メンテナンス担当者の教育用に、シミュレーションによる船舶トレーニングシステムを構築する予定です」
「Cachéは、我々の現在および将来の要件をすべて達成できることから、COMPLEXにおいて何より重要な優れたコアテクノロジです」と、ミュノス氏は結びます。

